• TOP
  • コラム
  • 「お酒」と「たばこ」どちらかをやめるとしたら?

コラム

2020.11.27
健康 病気 外来診療

「お酒」と「たばこ」どちらかをやめるとしたら?

コロナ禍による外出自粛で、自宅で過ごすことも多くなりアルコールの量が増えたという声も多く聞こえます。また近年では飲食店や宿泊施設での禁煙が進む一方で、愛煙家もまだまだ多いというのが現状のようです。健康リスクに影響するのは、お酒やたばこに限りませんが、どちらも身近な嗜好品であり、なかなかやめにくいという共通点があります。今回は、お酒とたばこのリスクについてお伝えします。

お酒を飲むことへのリスクとは

お酒は「百薬の長」と言われていますが、飲みすぎが体に悪影響を及ぼすことは周知の事実です。厚生労働省が示す適度な飲酒量は、純アルコール換算すると1日あたりおよそ20gで、それ以上を摂取すると、健康のリスクが高まるといわれています。

20gとは大体「ビール中瓶1本」「日本酒1合」「チュウハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」などに相当します。1日の飲酒量がこの3倍以上になると「飲みすぎ」となり、アルコール依存症になるリスクが高まると警告されています。 お酒が引き起こす生活習慣病には、肝障害、膵炎、脂質異常症、高尿酸血症、高血圧症などのさまざまな疾病が考えられます。また、食道がん、大腸がんと強い関連があり、女性では男性ほどはっきりしないものの、乳がんのリスクが高くなることが示されています。

国立がん研究センター:科学的根拠に基づくがん予防(https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html)
厚生労働省:健康日本21[アルコール](https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html)
国立がん研究センターより:飲酒と乳がん罹患との関係について(https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/373.html)

お酒は適量であれば体にいいって本当?

適度な飲酒は血行を促進する効果や精神的ストレス発散にもなるといわれており「絶対にお酒をやめたほうが良い」とは言い切れません。体重や性別・年齢・アルコールの分解能力の違いなど適量には個人差がありますが、大切なのは、どの程度飲んだら、自分がどんな状態になるかを知っておくこと。先程お伝えした1日あたり20gがひとつの目安になるでしょう。

また、美味しいお酒を楽しく飲んで健康的な生活を送るには、以下のことに気をつけると良いでしょう。

  • ①すきっ腹で飲まない
  • ②ゆっくりと食事と一緒に飲む
  • ③休肝日を作る
  • ④強いお酒は薄めて飲む

たばこを吸い続けることのリスクとは

たばこについては「百害あって一利なし」とよく言いますが、肺がんだけでなく、ほとんどの部位でがんの原因になるといわれています。また虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)や脳卒中などの循環器の病気、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器の病気の原因にもなります。さらに、たばこを吸うことは、本人だけでなく、吸わない周りの人にも肺がんなどの健康被害を引き起こします。

日本医師会:たばこの健康被害(https://www.med.or.jp/forest/kinen/damage/)

「お酒」と「たばこ」どちらかひとつだけやめるとしたら?という問いに、その方の年齢や健康状態などさまざまな背景は置いておいて、まずは「たばこ」をやめましょうとお伝えしたいと思います。

たばこを毎日20本20年間吸ってきた人の危険度

たばこの危険度を計る指標に「ブリンクマン指数」があります。 「1日のたばこの本数✕たばこを吸った年数」をぜひ計算してみてください。

▼ブルリンクマン指数

1日20本、20年間吸った人は20✕20=400となります。このブリンクマン指数が高いほど健康への危険度が増します。 一般的に、ブリンクマン指数が400以上になると肺がんのリスクが上昇し、700以上になる慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患や狭心症などの心疾患に罹患しやすくなり、喉頭がんや肺がんのリスクが高まります。

また注目したいのは新型コロナウイルスに感染した場合、高齢者、妊婦、基礎疾患(糖尿病・心不全・慢性呼吸器疾患・高血圧・がん)を持っている方や、免疫抑制状態の方は重症化しやすいため、喫煙者においては禁煙が重要であるとされています。*1 コロナ禍では「3密を避ける」「手洗い」「マスク着用」などの基本的な感染予防対策はもちろん、基礎疾患への備えも大切だといえます。慢性呼吸器疾患のひとつである「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」の患者さんの9割以上が喫煙者*2とも言われており、新型コロナウイルス感染症の重症化リスク対策として、禁煙も大切になります。

*1厚生労働省「新型コロナウイルス感染症 COCVD-19 診療の手引き 第2.2版」(2020年7月10日発行)(https://www.mhlw.go.jp/content/000650160.pdf)
*2日本医師会「すすめよう禁煙」(http://dl.med.or.jp/dl-med/nosmoke/susumeyou.pdf)

いかがでしたか?たばこはお酒と違い、短時間で死に至るような中毒症状はないものの、少量であれば健康に良いということではありません。ただし「いつかは禁煙しよう」と思っていても、気持ちだけで成功するのは難しいものです。

簡単にやめられないからこそ、ひとりで悩むのではなく医師に頼るというのも一つの手ではないでしょうか? 当クリニックの禁煙治療では、薬剤を処方するだけでなく、私たち医師が精神的なサポートも行っています。先にお伝えしたブリンクマン指数は健康保険の適用可否を判断する指標にもなっています。35歳以上でブリンクマン指数が200以上の方は、健康保険が適用となります。禁煙にお悩みの方は、ぜひ一度当クリニックへご相談ください。

日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニック 禁煙治療のページはこちら>>

 

監修者プロフィール

反頭 裕一郎 (たんどう ゆういちろう)医師
山中湖クリニック 副院長

[経歴]
2001年山梨医科大学医学部卒業
トラストクリニック等々力 元副院長
社団医療法人トラストクリニック 元非常勤医師
大月市立中央病院 元副理事長・元副院長
日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニック 元副院長

コラム一覧へ
このコラムについて

当ページに掲載されている情報は、開示日及び発表日当時の情報です。
現在行われているサービスや最新情報とは異なる場合がございますので、予めご了承ください。