• TOP
  • コラム
  • 便は健康のバロメーター。セルフチェックをしましょう!

コラム

2020.06.17
健康

便は健康のバロメーター。セルフチェックをしましょう!

コロナ禍で様々な情報を目にする中で、 今まで以上に健康に意識が向くようになった…そんな声が多く聞かれます。そこで自分で簡単にできる健康チェックのひとつとして、紹介したいのは「便を観察すること」です。色や形、においなどは、今のあなたの健康状態を反映しているので毎日便を見る習慣をつけましょう。

良い便ってどんな便?

ポイント①硬さ

バナナ状の便がするりと出て、排泄後に「すっきりしたな」と感じれば良い状態と言えます。
排便が2~3日に1度でも気持ち悪い、辛いなと感じなければそれほど心配はいりません。

ポイント②におい

便臭はあるもののきつい悪臭ではない(漬け物のようなにおい)が理想的と言われています。お肉や脂っこいものを多く食べると悪玉菌が増え、においが強くなります。そして、オリゴ糖や食物繊維の多い食事をとると善玉菌が増え、においは抑えられると考えられています。 善玉菌を増やす食品の例としては、「納豆」「ヨーグルト」等が挙げられます。

ポイント③色

健康な便は黄土色~茶色です。腸内に便が留まっている時間が長い場合や、脂肪の多い食事をしている人ほど、色は濃くなります。

セルフチェックをしてみよう!

では実際に自分の便はどうでしょうか。下の図を参考にしてみてください。

▲「ブリストルスケール」ブリストルスケールとは英国ブリストル大学のHeaton博士が1997年に提唱した大便の形状と硬さで7段階に分類する指標であり、便秘や下痢の診断項目の一つとして使用されています。

上記図の中でType3から5までが正常な範囲の便と言われていています。Type1のようなコロコロ便(ウサギの糞のような便)は、ストレスなどが原因で腸が正常に動いていない状態です。こういった時には水分を多く摂取し、運動をして心身ともにリラックスする事が必要です。
またType6の泥のような便の場合、においもきつく、お酒や肉・油物が好きな人に多い傾向があります。野菜や穀物、発酵食品を積極的に取ると良いでしょう。

便秘や下痢のトラブルが続いた時には上記の図を参考に便の状態を話すと、医師にも伝わりやすいので、活用してみてください。

病気が隠れている可能性も?

良い便の例を紹介しましたが、一方で病気が隠れている可能性が高い便もあります。観察する中で、以下のような排便があった時には、早めに医療機関へ相談してください。

真っ黒な便

真っ黒でドロドロした、タールのような便は、食道や胃、十二指腸、小腸で出血している可能性があります。緊急性が高い状態ですので、すぐに医療機関を受診してください。

赤い便

鮮血のように真っ赤な便は、肛門に近い場所で出血している可能性があります。大腸の炎症やポリープ、大腸がん、いぼ痔、きれ痔が考えられます。持続する場合は、すぐに医療機関を受診してください。

白っぽい便

白っぽい便がでる場合は、色をつくる色素(胆汁色素)の流れが悪いサインです。一時的な場合の原因として多いのが、暴飲暴食によるものですが、肝臓や胆のうに炎症がある事も考えられます。持続する場合は、すぐに医療機関を受診してください。

いかがでしたか?便は目に見えて分かる健康のバロメーターです。日頃から便の状態をよく観察して、変化があれば、食生活を見直すなど健康管理に役立てましょう。

日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニックでは消化器内科を開設しています。便秘や下痢に悩まれている方は、ぜひ一度ご相談ください。

   

監修者プロフィール

大久保 栄高 医師
日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニック 常勤医師
2009年九州大学医学部医学科卒業。JCHO九州病院(旧九州厚生年金病院)初期研修医、2011年より国立国際医療研究センター病院消化器内科後期研修医・フェロー・医員での勤務を経て、現在に至る。

【認定資格】
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本肝臓学会 肝臓専門医
日本食道学会 食道科認定医

コラム一覧へ